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源氏物語の第3巻。澪標、蓬生、関屋、絵合、松風、薄雲、朝顔、少女、玉鬘が収録されている。須磨、明石への流謫からの復帰に始まり、内大臣、太政大臣と出世していく。嵯峨の御堂、桂の院、二条の院の東の院、六条の院と建物を作りすぎだろうと思うが、これも光源氏の権勢を示す一つなのだろう。その六条の院は源融の河原院を連想させ、源融モデル説オシとしてはふむふむと読んだ。それにしても、六条御息所の娘の斎宮を養女にするのは良いが、彼女への思いを口にするとか、朝顔の君には拒絶しにくいような状況で暗に交際を迫るとか、女癖の悪さは健在である。蓬生では蓬が生える荒廃した邸から末摘花を回収し、玉鬘では夕顔の忘形見を回収するのだが、玉鬘にも手を出すのではと要らぬ心配をしてしまった。澪標では、他の位の高い姫君に引け目を感じている明石の上が偶然居合わせた住吉詣で源氏の権勢を見せつけられて読む歌が印象的だ。娘を紫の上に預けるという決断を経て六条の院に入った彼女を応援したくなる。
2025年5月11日
新潮日本古典集成源氏物語2
紫式部
源氏物語
源氏物語の第2巻。紅葉賀、花宴、葵、賢木、花散里、須磨、明石を納める。源氏の父親である帝の寵愛する藤壺との間に不義の子が生まれ、源氏にそっくり、それをまた周りの人達は納得するのだが、無理矢理ですね。この巻のハイライトは、やはり葵か。葵上だから葵なのかと思っていたが、どうも葵祭と言うことらしい。無事出産して、皆が油断している時に誰にも看取られずに亡くなる葵上が哀れ。その後、帝の崩御、藤壺の出家と続き、須磨、明石と進んでいく。藤壺の出家も源氏がしつこく迫ったせいだし、流罪になるのを怖れて須磨に行く羽目になったのも、朱雀院の女を寝取ったせいで、結局源氏の女癖の悪さが招いた気がする。明石の上との件は住吉明神まで持ち出して、ただの色狂いではないと作者は言いたいらしいのだが…。地に足がつかないと言う意味なのだが、「足をそらなり」と言う表現が面白い。
源氏物語の第2巻。紅葉賀、花宴、葵、賢木、花散里、須磨、明石を納める。源氏の父親である帝の寵愛する藤壺との間に不義の子が生まれ、源氏にそっくり、それをまた周りの人達は納得するのだが、無理矢理ですね。この巻のハイライトは、やはり葵か。葵上だから葵なのかと思っていたが、どうも葵祭と言うことらしい。無事出産して、皆が油断している時に誰にも看取られずに亡くなる葵上が哀れ。その後、帝の崩御、藤壺の出家と続き、須磨、明石と進んでいく。藤壺の出家も源氏がしつこく迫ったせいだし、流罪になるのを怖れて須磨に行く羽目になったのも、朱雀院の女を寝取ったせいで、結局源氏の女癖の悪さが招いた気がする。明石の上との件は住吉明神まで持ち出して、ただの色狂いではないと作者は言いたいらしいのだが…。地に足がつかないと言う意味なのだが、「足をそらなり」と言う表現が面白い。
2025年4月13日